とある針灸師の実情

針灸師・稻垣順也が、終わりのない自己紹介を続けていくブログです。

針灸

癒やし癒やされ

僕みたいなメンタル木綿豆腐な人間が臨床家を続けていられるのは、いつも絶妙な所で患者さんに救われるからなんだなぁ。 十代の女の子の舌先に在った赤黒いブツブツが、薄まっていた。 そしたら、口から出てくる世界や家族に対しての言葉も、優しくて明るめ…

極みを目指す覚悟が医療者を楽にする

有病不治,常得中医. これは、『漢書』の「芸文志」の「方技略」などにおいて紹介されていることわざである。 これを僕なりに意訳すると、「病気になっても医者に掛からず、成り行きにのみ任せておくのは、いつの時代でも中級の医者に掛かるのと同じ価値が…

針を刺された後の不調は「はり師」に聞け

この四月より、ある患者さんの通院ペースを毎週から隔週へと落とすことになった。 その患者さんは鍼灸師であり、『鍼道 一の会』の数年来の会員でもある。 鍼灸学校の卒業後すぐ勉強しに来て下さったのだが、一年目の途中から体調を崩され、以降は自宅で療養…

3月12日の出来事・後編

【中編の続き】 西洋医学では、喘息を起こす人は、分泌物やむくみのせいで気道(空気の通り道)が狭まっていると言う。 そのため、発作時には、気道を広げる効果を持った薬が使われる。 人が自力で気道を広げる場合は、自律神経の中では「交感神経」の働き…

3月12日の出来事・中編

【前編の続き】 僕の懸念……それは、「ロシアの魔女」(通称)に対して、近頃、望むような治療成績を挙げられていないということだった。 実は、この五日前にも、僕は彼女に針をしていた。 東洋医学では、顔色や脈の手触りといったものが治療効果を判定する指…