とある針灸師の実情

針灸師・稻垣順也が、終わりのない自己紹介を続けていくブログです。

2016年度・稻垣家の旅「出会えてよかった」

 

2月28日から3月2日に掛けて、二泊三日で旅行をしました。

行き先は山口県。

なぜ山口県にしたかと言うと……

この角島大橋を、海を左右に見ながら渡ってみたかったから。

 

まずは福岡県の小倉へ到着し、更に門司港へと移動。

九州から見た関門海峡と本州。

海流が速いからなのか、イソ臭さがほとんどしないことに驚く。

ここで妻、おみやげ屋さんをのぞいていきたいと言い出す。

……待つんだ、妻よ。

今回、我々は、対岸の山口県を旅しに来たのだ。

今、福岡県に居るのは、山口県を最大限に楽しむため、上陸のセレモニーを実施しに来たに過ぎない。

……わ、分かった。

仕方ない。

……見るだけだぞ。

と、押し切られるようにして入ったおみやげ屋さんで、衝撃の出会いを果たす。

余りにもインパクトが強すぎて、山口県を回っている間、僕ら夫婦はこのCM曲を口ずさみ続けることになる。

妻よ、いつか九州へも行こう。

 

その後、関門連絡船に乗り、下関へ。

下関では海響館という水族館へ行った。

妻にとっては初めてのイルカショーだったそう。

僕は、三十歳を超えて『比較行動学』を勉強して以来、動物を見るのが楽しい。

動物の芸は、その習性をよく理解し、活用することで実現されている。

人間の調教は副次的なものでしかない。

とは言え、動物同士にキスをさせる演出はちょっとやり過ぎじゃないかと思ったけれど、しがないオジサンのマイナーな感性などは捨て置かれるのが良い。

水族館や動物園は、生態系を守るためにはもはや不可欠な、生きた研究施設だ。

大切な目標のためにも興行が人気を集め続けることを願う。

海響館ではスナメリやフグといった近海の生き物も魅力的に展示されていた。

 

下関で一泊した後、二日目は、本州の西岸を北上し、上記の角島大橋を渡って角島へ。

角島を車で一周してからは、山口県の北岸を東へ進んで、青海島を周回する観光汽船に乗った。

青海島の北側より、大陸方向を撮った写真。

この海は、もちろん、僕らが「日本海」と呼んでいる海だ。

ところが、この海は、当の日本人のほとんどにとっては「日の本の海」ではない。

北部の人たちにしてみれば、むしろ、「日の末の海」でさえある。

けれども、僕らは、この海を「日本海」と呼ぶ。

この海が紛れも無く「日の本の海」である人たちは、実際は隣国に居る。

そして、他ならぬその国の人たちが、「日の本の海」という名称を変えたがっている。

「WHY FAR EASTERN PEOPLE!?」と叫びたくなる人は、域外に居ないのだろうか。

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二泊目を萩で過ごし、最終日の旅へ。

途中、松陰神社に立ち寄った。

ここへ行きたがったのは妻。

迷いも興奮も無い様子で、ただ「行きたい」とあっさり言ったのが珍しかった。

ここでは「松陰先生御教訓入」というおみくじを引いた。

妻のおみくじには「徳の流行は郵伝より速し(よい行いはたちまち世にひろまる。悪事もまた千里に伝わる)」と在った。

僕のものには「男子すべからく塵俗の表に卓立するを要すべし(世評を気にせず信念に向って邁進せよ)」と在った。

 

萩からは、秋吉台を経由して、山口へ向かった。

「地獄台」という地名を見掛けて、「何で地獄なんだろう?」と妻。

「ここみたいに何もない場所なんだよ、地獄は」と、非論理的に返す僕。

地獄に落とされるべき者にとっては、依存できる物が何も無く、自分の心の声しか聞こえてこないような場所こそが、まさに地獄なのではないかと思ったのだ。

そのような場所に落とされた時、僕ら夫婦はどのような時間を過ごすだろう。

刺激の無さに耐え兼ねて、当てこすりを重ね合うようになる展開は避けたい。

一人でも相手が居てくれることに感謝できれば、地獄も少しは楽しめるだろうし、そもそもそこはもう地獄ではなくなっていくかも知れない。

夫婦たるもの、地獄に一花ぐらいは育てられるユニットで居たいものだ。

 

秋吉台を抜けた後、僕らは瑠璃光寺に着いた。

ここには薬師如来が祭られている。

僕ら医療職としてはあやかりたい存在だ。

写真の右側に写っている石像は、閻魔王。

地獄行きを避けたいならば、世のため人のために働くことを誓い、実践せよとのことだった。

妻は、おみくじに在った松陰先生の教訓に従い、世のため人のために働くことを誓っていた。

僕は、おみくじに在った松陰先生の教訓に従い、世のため人のためには働かないことを誓った(笑)。

僕の場合、「世のため人のため」を意識すると、常識に遠慮し過ぎて、未開の分野に関係した仕事はサボるだろう。

それに、地獄行きにおびえるよりも、地獄さえ癒やせる針灸師を目指した方が、気楽で良い。

卓立、意識してみよう。

 

最後に。

萩でフグ刺しに付いてくる夏ミカンは、ちゃんと搾ることをお勧めしたい。

カボスでは得たことの無い感動だった。

 

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